モペッ・サンクチュアリ ~オホーツク・紋別におけるアイヌ民族の権利回復と持続可能な地域づくり~

プロジェクトの概要

豊岡川における水質調査
(2011年2月) 豊岡川における水質調査 (2011年2月)

北海道紋別市在住のアイヌ漁師、畠山敏さんのアイヌ民族の権利回復に向けた思いを共有したメンバーが、紋別の自然環境(海・川・森)を保全・活用しながら、 地域に根ざしたアイヌ民族の権利回復をめざす「モペッ・サンクチュアリ」というビジョンの実現に向け、協働でワークショップやセミナー、市民調査、政策提 言などに取り組む。

 

取り組みのねらい・目標

・ 地域に根ざしたアイヌ民族の権利の回復(漁業権の回復、河川・森林環境保全への参加など)
・ 地域の中で、アイヌ民族の歴史、文化、権利についての理解を広め、深めていくこと
・ アイヌを中心とした新たな地域の生業、仕事づくり

達成度

モベツ川支流水源域に建設された産業廃棄物処分場の操業に対して、公害審査会の調停の結果、アイヌ民族として公害防止協定を締結できたことは、先住権回復に向けてのステップとなった。
また、地元教員を対象としたセミナー、ワークショップの開催により、地元の小・中学校で畠山さんらをゲストに招いたアイヌ関連の授業が広まった。

参加・連携・協力団体など

EPO北海道~取り組みの発端となったスタディツアーの共催
ESD-J~「生物多様性×ESD」事例として採用、ワークショップを共催
市民外交センター~産廃処分場建設問題や取り組みを国際的にアピール

対象分野

環境、人権、先住民族、まちづくり

手法

・フィールドツアー~紋別における様々な活動や歴史を学ぶESDツアー
・ワークショップや理解を深めるセミナーの開催
・市民調査~モベツ川水系の河川環境調査、聞き取り調査の実施
・アドボカシー~産廃処分場の建設・操業に対する提言・要望など

主な対象者

紋別市民、地元の小中学校教員、地元のアイヌ民族、地域外のアイヌやNGO関係者、研究者

参加人数 約300人

実施期間

2009年~現在

活動の様子

オホーツク・紋別ESDツアーより
(アイヌのマレプ(突き鉤)漁の体験) オホーツク・紋別ESDツアーより (アイヌのマレプ(突き鉤)漁の体験)

豊岡川における水生生物調査
(2011年9月) 豊岡川における水生生物調査 (2011年9月)

オホーツク・紋別ESDツアーより
(集合写真、日下牧場にて) オホーツク・紋別ESDツアーより (集合写真、日下牧場にて)

ESDの視点

アイヌの先住民族としての権利回復という課題は、北海道の脱植民地化という課題に他ならず、日本社会の今後にとって重要なテーマであるが、北海道においても地域に根ざした具体的な取り組みは少なく、また、アイヌとアイヌ以外の者が協働で取り組んでいるケースも稀である。

対象者の変化

問題の根は深く、目に見える形での変化は多くはないが、セミナーやワークショップなどによって問題を提起していくことで、少しずつ市民や関係者などの意識が変わっていくものと考えている。

改善点

地元行政や研究機関の積極的サポートがあるとよいのだが、アイヌ民族の権利問題はいまだにタブー視される風潮があり理解が得られにくい。また、東京や札幌に協力するNGOや研究者がいることはこのプロジェクトの強みだが、一方で地元の協力者が少なく、なかなか地元発のイニシアティブが発揮されないことが悩みである。

その他

自然と人間社会との関わり方、文化の多様性と人権、歴史的視点など、先住民族をめぐるテーマはESDを考える上での基盤となるものと考えるが、日本の中ではあまり注目されていない(日本社会の課題と考えられていない)。近代社会(近代国家)がもたらした負の遺産から目をそらさずに未来を考えていくことが、いま切実に求められていると考える。

団体概要
団体名 特定非営利活動法人さっぽろ自由学校「遊」
住所 〒060-0061 北海道札幌市中央区南1条西5丁目愛生舘ビル6F
電話番号 011-252-6752
担当者名 小泉 雅弘
e-mail koizumi@sapporoyu.org
団体URL http://sapporoyu.org/
プログラムのURL http://mopetsanctuary.blogspot.jp/

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