世界一大きな授業 すべての子どもに教育を。みんなが動けば世界は変わる。

プロジェクトの概要

世界中の子どもたちが参加(ヨルダン) © GCE 世界中の子どもたちが参加(ヨルダン) © GCE

「世界一大きな授業」とは、世界の現状に目を向け、教育の大切さを考える、世界100 カ国で一斉に行われる世界規模のイベントである。「すべての子どもに教育を」を合言葉に2003 年にスタートし、2008 年には全世界で885万人が参加、ギネスブックにも登録された。日本では教育協力NGOネットワークが作成した途上国の教育の現状を知る教材を、主に教育 関係者などの授業実施者に提供。生徒主体の参加型授業を実践してもらっている。

取り組みのねらい・目標

1. 世界の教育の現状について知り、教育の大切さについて考えること。
2. より良い世界のために活動する子どもたちがいることを知り、自分たちに何ができるか考えること。
3. 日本の教育支援のODAについて学び、よりよい支援のあり方を考え、ODAの額を増やすと同時に、支援の質を高めるために日本政府に働きかけること。

達成度

参加人数は2013年の目標数には届かなかったものの、過去最高の約6万人を達成。参加者数は初年度の2003年の参加者600人から100倍に増加し、市民の国際協力への関心を高め、意識啓発に多大に貢献している。参加者は世界中の子どもが学校に通えるために、内閣総理大臣にお願いしたいことをメッセージにまとめた。メッセージは第5回アフリカ開発会議の機会を捉え、教育協力NGOネットワークが日本政府に届け、教育分野のODAの質、量の改善を求める政策提言を行った。

参加・連携・協力団体など

共催:プラン・ジャパン、助成:庭野平和財団、協賛:KUMON English Immersion Camp、 アーユス仏教国際協力ネットワーク、協力:地球対話ラボ、後援:文部科学省、 外務省、 国際協力機構、 動く→動かす、 ガールスカウト日本連盟、 「持続可能な開発のための教育の10年」推進会議、 なんとかしなきゃ!プロジェクト、 日本国際ボランティア学生協会、 日本赤十字社、 日本YMCA同盟、 ボーイスカウト日本連盟

対象分野

教育、人権、国際協力

手法

毎年教材を作成している。教材ではアクティビティ、ワークショップ、ディスカッションを通じて参加型学習が実践できるように構成されている。

主な対象者

小・中・高・大学、企業、グループなど
参加人数 59,116人 (2013年度)

実施期間

2003年から毎年4月に実施。

活動の様子

授業の様子(新潟県燕南小学校) © JNNE 授業の様子(新潟県燕南小学校) © JNNE

ESDの視点

この事業は、開発教育の手法を用いて、生徒主体の参加型授業を実践する機会を全国の教育現場に展開していることに意義がある。単に知識の習得にとどまらず、答えのない問題について、生徒間の意見交換を促進する教材を提供することで、生徒が授業を体験・体感し、世界の教育の現状を変えるために、自分たちにできることを考え、行動変革につながっている。世界同時のイベントに参加することで、世界との「つながり」を意識し、開発途上国を含む地球規模の問題に対して、世界がどう協力・協働していけばよいか、そのために自分にできることは何かを考えるグローバルな視点を持った人材を育成しているという点においても、本事業の果たす役割は大きい。

対象者の変化

教材は体験しながら学べる教材を用意している。授業実践者にとっては、参加型授業という普段の授業とは異なる授業形態を実践することができる。答えのない、自分の意見を発表する内容に、普段の授業とは違った生徒の側面に気づく機会にもつながっている。教材の内容に、困難な状況にあっても、その状況を変えるために行動している途上国の子どもたちを紹介することで、「学校に行っていない子どもがかわいそう」、「日本に生まれてよかった」という感想から、「自分たちにも何かできることはないのだろうか」「同じ子どもなのに、どうして学校に行けない子どもがいるのだろうか」という自分たちの可能性への気づき、世界の不公正についての疑問を持つなど、意識、態度の変化が見られる感想へとシフトしている。

【授業実施者の声】
・生徒に話し合わせて考えさせる部分が多く、興味を持って取り組んでくれました。
・キャンペーンの存在自体を知るだけでなく、内容解説や指導法が公開されており、体験的に学習できる構成となっているのが良いと思う。
・世界の教育の現状を含め、メディアでは多く報道されない事実があるということを考えてほしい。
・実施前は、生徒達の恵まれた生活環境から考えると、あまり興味を示さないのではないかと思っていましたが、授業を進める中で生徒達が知らなかった世界の子どもたちの実情を知り、心が動き始めたことを実感できた。
・中学時代に不登校ぎみだった生徒たちから「きちんと学校に行かなくてはいけない」という言葉をひきだすことができたのは世界一大きな授業のおかげ。
・「知る」→「考える」→「行動する」プロセスになっている点がすばらしい。
・今回の生徒の真剣さは普段にないものでした。実際に自分の意見が総理へ届くと聞くと、懸命に考えて書いていて、生徒の新たな一面を発見。

【授業参加者の声】
・インドの子どもたちが全力で頑張っているのに、ぼくたちは何もやらなくてよいのだろうか、何かできることはないのだろうか。 (小学生)
・同じ子どもなのに、学校に行ける子といけない子がいて、大人は何とも思わないのだろうか。 (中学生)
・子どもが団結して物事を考えると問題が解決できるのに、大人の方が解決できず問題がたくさん起きるのは不思議だ。 (高校生)
・一人ひとりの力は小さく限られているが、 大勢で集まれば世界を動かすことができると思う。(大学生)
・自分の考えを述べることの大切さを知った。
・「現地に行って学校をたてる」というのも大切だけれど、まずはそこの土地の人が本当に困っている事を知りたいと思う。 

改善点

世界中で行われるキャンペーンのため、日本では新学期の4月に実施しなければならず、時間的制限から授業実践者が参加しにくいという点がある。また、実践したいという先生がいても、学校からの許可が出ない、他の先生を巻き込めないという周りの理解を得られないという実践者も多い。これまでの参加者からは、「もっと多くの学校が参加すべき」という意見をいただいているが、全国の学校約3万8千校のうち、684校という現状である。一方海外では、子どもの4人に1人が参加しているデンマークなどの例もあり、より多くの学校、教育関係者にこのキャンペーンを周知したいと考える。
資金については、毎年助成金から確保し実施しているが、日本国内の啓発やアドボカシー、開発教育を対象とした助成金はまだまだ少ない。欧米の多くの民間助成財団が、NGOの活動を巨額の助成金で支えているのと比べて格段の差がある。

その他

企業からの協賛についても働きかけており、民間との連携・協働も進めている。

団体概要
団体名 教育協力NGOネットワーク(Japan NGO Network for Education:JNNE)
住所 〒160-0015 東京都新宿区大京町31 慈母会館2・3階  (公社)シャンティ国際ボランティア会気付
電話番号 03-5360-1245
担当者名 三宅 隆史
e-mail jnnegeneral@hotmail.co.jp
団体URL http://jnne.org/
プログラムのURL http://www.jnne.org/gce/

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