学校開き「生徒の自己開示の取組み」

プロジェクトの概要

入学式後すぐに行われる学校開き 入学式後すぐに行われる学校開き

自らの人権を守るためにこそルール・マナーを守る。この自由と規律の統一、多様性と包摂の融合が、今日の人権教育における最重要課題であると思われる(OECD のキーコンピテンスにも含まれる)。「なんでもあり」が自由なのではなく、「自由であるためにはみんなで守るべき価値観がある」。その市民性または主権者意識を体験・整理・貢献というサイクルの中で実感と確信と行動を伴って学んでいく教育プログラム。

取り組みのねらい・目標

「互いの違いをリスペクトしあう」空気について体験または再確認する取組である。「求められているのは話者への『感情的共感』と同時に、自分の思いを素直に開示しあえる(=ありのままの自分でいられる)空気を持つ柴島高校という空間・枠組みへの『理性的コミットメント』であること」を明確にし、その空気を維持するためには各人に技能・意欲(市民性または主権者意識)が求められることを認識させる。

達成度

ほぼ全ての生徒が「自分のことを語っても受け入れられる」柴島高校の空気・文化・伝統をありがたく感じていると感想で表明している。毎年行われるこの集会が、最初から最後まで全て生徒主体で運営され、水を打ったような静寂の中で淡々と進んでいくという事実が、取組のねらい・目標の達成度を表しているといえる。

参加・連携・協力団体など

地元高校として建設された本校は、様々な要因が重なり開校数年で〝荒れ〟を経験した。本校の自己開示の営みは、その荒れを立て直すための生徒自らによる「誇れる柴高作り」の取組において、「柴高を誇るとは、仲間を誇ることであり、自らを誇ることである」として、社会的マイノリティーの立場にある生徒たちが自らの思いや立場を自己開示しながら、世間の誤った偏見を見抜き価値観を転換していくことの重要性をアピールしていく中で始まったものである。
そういうきっかけで始まった取組が作り出す「自分の思いを素直に開示しあえる空気」は、現在全ての生徒が「ありがたい」「守っていきたい」と感じる本校の伝統・文化となっている。

対象分野

人権、公共心、多様性、異文化理解、主権者意識、市民性、
集団づくり、参加、自治、リスペクト、ただ乗りはダサい

手法

自己開示、学校開き(生徒会主催の全校集会)、ホームルーム合宿、
体験の先行(自らの尊厳を実感できる体験をさせ、次に「何がそれを可能にするのか」を考えさせる)

主な対象者

全校生徒・全教員
参加人数 約900 人

実施期間

新入生入学後1 週間以内

活動の様子

主催・運営は生徒会執行部 主催・運営は生徒会執行部

ESDの視点

自由(権利・個性)と規律が両立することを認識させ、2人称的人間関係を超えた「集団の規範意識」や「公共心」の育成を図っている。価値観の似たもの同士による仲間作り・共同体育成ではなく、価値観を異にする者同士が多様性を維持しながら共生するための作法・ルールという次元での人間関係、社会性・市民性を身につけさせている。

対象者の変化

人間関係づくり、集団の空気・文化づくりにおいて確実に成長がみられる。自分の思いを語ることができる空気を肯定的に捉え、柴島高校生であることに誇りと自覚を感じている(事後の感想シートや卒業前のアンケートから)。

改善点

集会の空気を今以上に日常的に作り出していけるように、更なる生徒自治にむけて取り組んでいるところである。

その他

【支援と留意点】
支援:学校開きに関しては、自己開示する内容について必要に応じて各学年の人権担当が事前の支援に入る。振り返りから丁寧な事後指導を行う。
留意点:取組の事前・事後にも意義の確認・徹底を全体に対して行い(聴く姿勢も含めて)、自律的態度の育成を図る。自由(権利・個性)と規律が両立することを認識させ、2人称的人間関係を超えた「集団の規範意識」や「公共心」の育成を図る。また研修の意味もあるため、全教職員に参加を依頼する。

【取組の頻度】
年度当初の学校開き(加えて1年生はホームルーム合宿)をきっかけとして、年間3回実施される人権ホームルーム、「産業社会と人間」(1年次)、総合的な学習の時間(2年次)、「柴島高校作りを託すホームルーム」(3年次)等の機会において、学年の生徒状況に応じて、「自由であるためにはみんなで守るべき価値観がある」というリスペクトの空気作りの重要性が参照される。と同時に、特に総合的な学習の時間を中心としたグループワークにおいて、この空気が生徒どうしの意見表明を活性化させている。

団体概要
団体名 大阪府立柴島高等学校
住所 〒533-0024 大阪府大阪市東淀川区柴島1-7-106
電話番号 06-6323-8351
担当者名 佐々木 徹
e-mail sougou@kunijima.osaka-c.ed.jp
団体URL http://www.osaka-c.ed.jp/kunijima/
プログラムのURL

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