外国人母子支援ネットワーク形成事業では、11月19日(月)に、第4回研究会夜の部が実施されました。
前半は、過去に大阪府内の自治体や国際交流団体が発行した、外国人向けの情報集や冊子等を比較検討しました。カラー刷りで見栄えの良いものから、白黒のもの、複数の言語に対応しているものもあれば、日英だけのものもありました。しかしやはり当事者や支援者にとって使いやすいものとは何かという議論になり、外国人女性が困ったときや、困るであろう事柄を、時系列で整理されているのが良いのではという議論になりました。また周囲の人が的確に支援できるよう、記載内容は日本語と外国語の対訳になっているものが使い勝手が良いという話になりました。その他色々と出たアイデアも踏まえ、本事業で編纂する『(仮称)外国人母子ガイドブック』作成の参考にさせていただきます。
後半は、今回予期せず平松マリアさんがご参加下さいましたので、前回同様外国人女性当事者のお話を聞くことになりました。
平松さんはフィリピン出身。約20年前お仕事で来日され、その後日本人男性と結婚されました。2人の娘さんを出産され、現在通訳翻訳業のほかに在日外国人支援や日本地域社会との交流に尽力されています。
とても明るく前向きな平松さんですが、色々と悩み苦しまれたこともありました。そんなエピソードをいくつかお話しして下さいました。
・出産前後に情報が欲しくて、高い料金を払ってフィリピンに国際電話をよくかけた話。
・フィリピンには「お弁当」を家庭で用意する習慣が無いので、夫や子供たちにどういうものを作ればよくわからずに困った話。
・子育てで色々と悩んだ話。
・自分と同じ悩みを抱えているフィリピンから来た女性とその子供たちのために、気軽に集まれる会を組織し、日本人の夫や家族にも理解してもらえるよう努力した話。
・当時の学校とのコミュニケーションで悔しい思いをした話。
・逆にとても理解のある先生とのきっかけでうまくいった話。
など、色んなお話をお聞きしました。やはり当事者の方だからこそ体験し見てこられた世界は、日本に生まれ生活してきた我々にとってはなかなか見えていなかったことばかりでした。こうした当事者の声を忘れず、良い方向へ活動していきたいと思います。
平松さん、本当にありがとうございました。参加くださいました皆様、ありがとうございました。
今年度は残すところ、『(仮称)外国人母子ガイドブック』の編集と、2月2日(土)に予定しておりますシンポジウムを残すのみとなりました。ガイドブック編集や翻訳、イラスト等を御協力いただける方を募集しておりますので、御関心のある方は是非御連絡下さい。(薄謝を御用意いたします。)
また、可能であれば来年度もこうした勉強会を継続していればと思います。ご意見御要望をお寄せ下さい。
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